人間は一度の失敗で全ては決まらない。人間関係を良くする謝り方は次はどうするかを決め、それを絶対守ることだ
以前紹介した、私の好きなちきりんさんのフレーズ
そもそもの大原則として、人を破滅させるのは「一回目の失敗」(浮気、投資や事業の失敗など)ではなく、「二回目の失敗」(それを誤魔化そうとする行為)である、ってことを、みんなよく覚えておくべきだよね。
— ちきりん (@InsideCHIKIRIN) 2012, 6月 22
こちらがなぜ好きなのか、良いエピソードがあったので、説明します。
これは、人間関係を良くするのに重要なことです。
以下は、シークレット・アイドル ハンナ・モンタナ シーズン3 コンパクトBOX [ マイリー・サイラス ] 第14話 破れぬ約束 より
パーティーに格好の良い男子と行きたいマイリー
既に、別の人に誘われていて無理だと言う。
たまたま、他の女性(エイミー)に断られている男子(アーロン)を発見。
この子(エイミー)の断り方が、また秀逸。
一度、相手を褒めておく。
そして、否定。
ごめんとも言っているし、「相手が理由でダメ」とは言わない所が、非常に好感が持てる断り方だった。これはアサーションの基本に基づいているといえよう。
横道にそれたが、
断られたのをかわいそうに思って、マイリーは慰めにいく。
優しさに弱いアーロンは、自分とパーティーに行って欲しいという。
安請け合い(?)をしてしまうマイリー
そんな時に、かっこい男子(デビッド)から、別の誘いが来てしまう。
この男(デビッド)の言い方も絶妙。
日本語訳は「無理ならやめよう」だけど、「But if you can't, I totally understand.」は多分「もし行けなくても、私はあなたの事情を完全に理解できるよ。(だから断ってもらっても構わない)」と言っている。
相手の都合まで考慮にいれるとは、なんて優しい誘い方なんだろう。
日本語で、こんな言い方する人はいないと思う。
これは以前紹介した
C型コミの3つの鉄則(=感じがよいと感じるコミュニケーションの鉄則)
に当てはまる。
「感じが悪い人」はなぜ、感じが悪いのか [ 「プレジデント」編集部 ]P25〜27より
鉄則1:相手の立場に立って考える
…略…
相手の立場に立って考えずに、北風だけを吹かせると、プロではなく、単なる感じの悪い人になってしまう。
…略…
鉄則2:考えを明確に表現する
…略…
「相手が何を考えているのかわからないとき、相手に不快感を持つ」という。
…略…
感じが悪い人は、自分の意図を隠し、共通の目標設定をする努力をしない人であるといってもよいだろう。
鉄則1と鉄則2を完全に満たしている。
「デュエットしない」→鉄則2
「But if you can't, I totally understand.」→鉄則1
デビッドの誘いにつられて、パーティーをキャンセルしようと企むマイリー。
これ、以前紹介したドタキャン女の
「彼氏とはかりにかける”天秤女”に要注意」
に当てはまります。
女性の多くは自分と他人を比較することで自分に自信を持ったり幸福を得たりします。それは男性の比ではありません。
そう、女は”比べる生き物”なのです。この度合いが強い女を”天秤女”と呼びます。
マイリーの場合は彼氏がいたわけではないのですが、同じことでしょう。
そして、理由にもならない理由をつけてドタキャンしてしまいます。
しかしデビッドとのレコーディングの最中に、心の痛みに耐えきれずに「やっぱりパーティーに行くわ!」と言い出すマイリー。
(この辺がストーリーとはいえ、人間の心を持った人とは、こういう人なのだなと感じさせます)
最終的には、花1つアーロンの所に持っていき、パーティーに行くことになり、めでたしめでたし。
しかし、この謝り方は相手を納得させるのに適しているとは言いづらいです。
なにせ、アーロンは他に一緒に行く相手がいないという状況なので、断れなかったと考えた方が自然だからです。
(状況が人に与える大きな影響については考えてるつもり レビューを見てください。)
そこで、私はこれを強く勧めます。
HUNTER×HUNTER(32) [ 冨樫義博 ] 335話 「決定」より
ジン:「仲間に謝る時はルールがある 知ってっか?」
ゴン:「? ううん・・・何?」
ジン:「次はどうする かそいつと約束する そしてそれを絶対守る事だ!!」
ゴン:「・・・うん!!」
花束をただ持っていっただけでは、「ほんとに謝ってるのかよ こいつ?」になりかねません。
同じことは繰り返さないという誓約、それが大事です。
そしてそれは行動経済学でも相互主義の精神として語られていることだと思うのです。
お金と感情と意思決定の白熱教室 ~楽しい行動経済学の世界~ 第二回 あなたが人に流される理由 レビュー より
実験:ホテルのタオルの再利用
そこで、実験をして検証した。
課題:どうすれば、ホテルのタオルをお客に再利用してもらえるだろうか?
再利用を促す標識を次のメッセージにて試した。
…略…
5.当ホテルは環境保護のために寄付しました。あなたも協力してくれるならタオルを再利用してください。
→27%に再利用率が増えた。
人に何かして欲しい時はどう言うだろうか?
「お手伝いしましょうか?代わりにちょっと手伝ってくれませんか?」じゃないだろうか?
これこそが相互主義の精神であるといえる。
こちらはやりました。あとはあなた次第。
前もってやることが難しいから、誓約をかける。ということです。
結局、きちんと謝るということが、2度目の失敗を防ぐということだと思っています。
最後に改めて。
そもそもの大原則として、人を破滅させるのは「一回目の失敗」(浮気、投資や事業の失敗など)ではなく、「二回目の失敗」(それを誤魔化そうとする行為)である、ってことを、みんなよく覚えておくべきだよね。
— ちきりん (@InsideCHIKIRIN) 2012, 6月 22