various things review

色々な物(主に本)をレビューします。基本的に私が良い!と思った物をご紹介して、皆様のご購入等の参考にして頂ければと思ってます。

お金と感情と意思決定の白熱教室 ~楽しい行動経済学の世界~ 第二回 あなたが人に流される理由 レビュー

行動経済学、シリーズ物のレビューです。

http://www.nhk.or.jp/hakunetsu/behavior/index.html

------シリーズはこちら----------------

第一回 人間は不合理な存在である レビュー

第二回 あなたが人に流される理由 レビュー

第三回デート必勝法 教えます!?~人々の感情をどう動かすか~ レビュー

第四回ダイエット成功への道!~自分をコントロールする方法とは~ レビュー

第五回お金の不思議な物語 レビュー 

第六回私たちは何のために働くのか?~仕事のモチベーションを高める方法~ レビュー

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はい、再びダン・アリエリー教授の登場です!

http://1000ya.isis.ne.jp/file_path/author1343.png

※画像はhttp://1000ya.isis.ne.jp/1343.htmlより

※2014/7/21追記こんな本が出てるなんてしらなかった! もっと知りたい人はこちらを読むとよいのではと。

 <<クタクタなりのまとめ>>

第二回あなたが人に流される理由

今回はソーシャルプルーフ(社会的証明)についての説明でした。 

ソーシャルプルーフとは

  • 他人の言動につい同調してしまう人間の性質
  • 他の人はどうしているんだろう。
    他の人がやってることはすばらしいに違いないからやってみよう 

 と考えることです。

ソーシャルプルーフの例

以下に、例を挙げて説明します。

健康器具の通信販売:声の掛け方による売り上げの違い

それまで、『オペレーターがお待ちしています。お電話をお掛けください』だったのを『電話がつながらないときはおかけ直しください』に言い方を変えただけで売り上げが倍増した。

→理由:他の人も皆電話をかけていると思わせたから。

レストランの行列

行列の店の方がおいしいに違いないと思う。

→理由:人間は本能的に他人の行動を正しいはずだと思い込むため。

実験:ホテルのタオルの再利用

そこで、実験をして検証した。

課題:どうすれば、ホテルのタオルをお客に再利用してもらえるだろうか?

再利用を促す標識を次のメッセージにて試した。

  1. 環境保護のために再利用しています。ご協力お願いします
    →お客の心はあまり動かなかった
     社会貢献を訴えた

  2. 80%のお客が再利用しています。ご協力お願いします。
    →20%再利用率が増えた。
     社会の標準(=社会規範)を使う事が大事といえる。
     人が欲しいのは商品そのものでなく、他の人が使っている物が欲しいと言える。

  3. 過去にこの部屋に泊まった客が再利用しています。ご協力お願いします。
    →35%再利用率が増えた。
     自分と共通点のある集団に魅力を感じる
     良い共通点、人がマネしたいと思う共通点を掲げるのが大事
     例:世界中の人がそうしていますよりはこの会社では皆そうしていますの方が、魅力を感じるかもしれない。

  4. 節約された分をNPOに寄付します。ご協力お願いします。
    →-5%再利用率が増えた(減った)。
     あなたが動けば、私も動くというメッセージ。
     自分でできるわ!と客に思われたかもしれない。

  5. 当ホテルは環境保護のために寄付しました。あなたも協力してくれるならタオルを再利用してください。
    →27%に再利用率が増えた。
     人に何かして欲しい時はどう言うだろうか?
     「お手伝いしましょうか?代わりにちょっと手伝ってくれませんか?」じゃないだろうか?
     これこそが相互主義の精神であるといえる。
     こちらはやりました。あとはあなた次第。

同調の様々なパターン

同調の性質

(1)人と同じは嫌だが、全然違うのもしづらい。

人とは違っていたいと思っても大きく外れることはできない。

例:服装。他人の服装と同じのは嫌だが、全然違うのもしづらい。

(2)人間はやりたいようにやると、他人と同じ振る舞いになることが多い

実験:ビールの試飲

ビールの試飲を声に出して何を飲むかを注文するかによって、他の人の注文に左右するのか?

影響したが、2種類存在する。

(2-1)違うビールを頼むパターン

アメリカではこれになった。個性的だと示したいため。

(2-2)同じビールを頼むパターン

香港ではこれになった。仲間と似ている事を示したいため。

(2-1)、(2-2)どちらも飲みたくない物を頼んでいるために、満足度は下がる。

ちなみに、紙に書いてもらうと、注文に影響を与えなかったとのこと。

実験:動きの模倣

話の最中に、貧乏ゆすりをしていると、相手も同じ行動をとりがち。

逆に、意図的に相手と同じ行動をすることで、気に入ってもらえるかもしれない。

→これ結構心理学とかでミラーリングとかで言われてるやつと同じなんじゃないと思った。

(3)合理的な同調と不合理な同調

合理的な同調:例:会議で上司の発言(もっともだと思う事)に賛同する。

不合理な同調:例:会議で上司の発言(違うなと思う事)に賛同する。

アッシュの同調実験

aと同じ長さの線はb・c・dのどれかを問う。正解はbだとして(明らかにわかるとして)

その際に、他の回答者(さくら)に全員cだと言わせると、(言わせた後に回答を求めると)被験者もcと言ってしまう。(75%は一度は同調して間違った意見をいってしまう)

  • 人数を増やすと同調の確立が上がった
  • 12人の時が最もおきやすい
  • 問題が難しい問題のときに起きやすい
  • 所属したいと思っているグループだとおきやすい
  • 他に同調しない人が一人でもいると同調は起きない
実験:MRIで脳の反応を見てみた(グレッグバーンズの実験)

皆が違う答えを言っている時に、脳の感情を司る部分が活性化した。

激しい不快感と言った反応に近い。

視覚野等が活性化し、皆と同じ見方ができないかと必死になった。(脳も同調に必死になるとわかった)

(4)群衆効果

ナイトクラブで火事が起きた時に、1カ所の出口に人が殺到する際に、「まてよ、他に出口があるだろうか?」とは考えづらいような現象。人について行った方が簡単。

サッカーのフーリガンみたいに、危険になることもこの効果。

ジンバルトの実験でスタンフォード監獄実験が有名とのこと。それって、映画esのことだよね?と思ったりした。

人目があると同調して自由に振る舞う度合いが減る 

実験:男女3人3人のグループを明るい部屋と暗い部屋に入れて、1時間自由に過ごしてくださいと言った。

明るい部屋:普通におしゃべりした

暗い部屋:80%の人が性的に興奮した。個人的なことを語ったり、ハグしたりした。

匿名性があると人は自由に振る舞えるようだ。インターネットでの書き込み等はその良い例。

社会規範を作って人に良い影響を及ぼすには?

他人に流される性質を利用してみる。

ロバートチャルディーニの影響力実験:地面にごみがおちているかどうかで行動は変わるか?

  • ごみがない
    →ポイ捨て行為が許されるかが曖昧になる。
  • ごみがひとつだけ落ちてる
    →社会規範が明らか(この辺にはあまり捨てないんだなと思われる)なため、ポイ捨て行為の確立が最も下がる。
  • ごみだらけ
    →自分もやっていいと思われる

成績が良かった人にはスマイルマークを、悪かった人には残念マークを示すと効果がある

これはよくわかんなかった。良かった人は嬉しくてもっと頑張るけど、悪かった人は、頑張る人もいるけど、劣等感でもういいやってパターンもあるのでは?

大事なのは、一人の悪い行動が、他の人にも影響することがありえるので、注意するということ。

幽々白書で「お前らはリンゴだ。このリンゴの箱の中に、腐ったリンゴを一ついれると全部腐って行く」と言っていたシーンがあったのだが、それを思い出した。

一個のリンゴが腐っていると箱の中のリンゴは全て腐ると言った者がいる

しかし諸君はリンゴではない 人間だ

諸君がクラスのクズを教訓とし

「ああはならない」と思う人間であることを願う

(『幽☆遊☆白書』第17巻 p112)

 言い方も気をつける

ここは参考になりそうだった。

  • エネルギーを賢く使ってる人は何パーセントいるというか、リサイクルするのがトレンドですというのか。
  • 過去3年間で増加していますというのか。

まとめ

  • ソーシャルプルーフを活用する事で良い行動にも悪い行動にも人を導きやすくなる
  • 同調には様々なパターンがある

所感

いやー、参考になる。でもいちばん「はっ」としたのは

人に何かして欲しい時はどう言うだろうか?
「お手伝いしましょうか?代わりにちょっと手伝ってくれませんか?」じゃないだろうか?これこそが相互主義の精神であるといえる。

これ。

ついつい、してくれたらやってあげるって思いがちなので、この法則を理解していれば、なんでも自分から積極的に行おうって気になると思えた。

(なんか今回の同調の趣旨とは違う気もするけど。)

いやでも、こういうこの世の真理みたいなものを発見するために、私は勉強している気がするんだよね。

関連書籍

まだ全部よめてないけど、良いっす。マジで。読んだら絶対レビューするっす。

------シリーズはこちら----------------

第一回 人間は不合理な存在である レビュー

第二回 あなたが人に流される理由 レビュー

第三回デート必勝法 教えます!?~人々の感情をどう動かすか~ レビュー

第四回ダイエット成功への道!~自分をコントロールする方法とは~ レビュー

第五回お金の不思議な物語 レビュー 

第六回私たちは何のために働くのか?~仕事のモチベーションを高める方法~ レビュー

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ちなみに、私のオススメのポジティブ心理学も是非どうぞ

 

※2014/7/21追記こんな本が出てるなんてしらなかった! もっと知りたい人はこちらを読むとよいのではと。

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