最善主義が道を拓く レビュー
本日は、ポジティブ心理学系の本の、名作をご紹介します!
タイトル:最善主義が道を拓く
他の本との違い
今までのポジティブ心理学は、どちらかというと、具体的に「どういうことをすると幸福になるか」について述べられていたのが多かった気がします。
例えば
・お金は経験になるものに対して使った方が良いよ とか。
詳しくはこちら→幸福学 白熱教室 第1回 お金はあなたを幸せにしますか? レビュー
・あまりにも選択肢が多いと、逆に最高の物選んでも後悔することになるよ とか。
詳しくはこちら→ポジティブ心理学系リンク集(選択についての面白い講演)
この本は
この本では、どういう心構えをすると、幸せになりやすいかと説いているように感じました。
ずばり、タイトルの通り「完璧主義じゃなくて、最善主義で行きましょう」というのなのですが、この本の素晴らしい所は、決して主張内容が夢物語ではないというところです。
というのも
そういったことが、私が感銘をうけたこういった文章から読み取れると思います。
最善主義者にとって失敗は必ず発生する物です。
つまり、「あー、こうしなきゃよかったな」と思う選択や行動等をしたくないために、我々は、こういった本とか心理学とかに興味を持つのだと思ってますが、どうしたって「失敗は必ず発生する」のです。
どうでしょう?こんなこと、あんまり他の本では言わないと思います。
こんな例も
また、辛い感情をどう扱うかについて、「辛いのを受け入れる」ことが良いと言っておりますが、最善主義者にとって
真の受容とは自分が取り乱すことを受け入れるだけでなく、それでもなお楽にならないこともありうるということをも受け入れる、ということなのです。
どうでしょう?
大概、他の書物などでは、「辛い気持ちを受け入れれば楽になる」とか安易なことを言います。しかし、「受け入れても楽にはならないこともある」という事実を他の本では言っていません。そんなときに、
「はっ。受け入れても楽にならないこともあるのだ!」と知っているだけで、痛みが消えることはないにせよ、少し楽になると思います。
大概辛い時って、「あーつらい、誰かこの気持ちを消して〜!」と思うものではないでしょうか?
また、
完璧主義者と最善主義者が分離されたものではないともあります。
要するに、「私は今、完璧な最善主義者なんだ!だから人生最高なんだ」とはならないということです。完璧な最善主義者=完璧主義者なんだと思います。
あるときは完璧主義者に、あるときは最善主義者に というように、行ったり来たり。それでもできるだけ、最善主義になるように心がけようといった感じだと思います。
このように
このように、かなり現実的な視点から、完璧を目指してしまう我々にとって、それは良くないことであると、説いている本書は非常に参考になります。
今までのポジティブ心理学系の本等のなかでは一番良いのではないかと今の所思っています。
是非ご一読ください。