お金と感情と意思決定の白熱教室 ~楽しい行動経済学の世界~ 第一回 人間は不合理な存在である レビュー
たまたま見て見た白熱教室。
見てみたら凄く面白かった。
ポジティブ心理学の次はこれだ!って感じです。
http://www.nhk.or.jp/hakunetsu/behavior/index.html
ということで、レビューしていきます。
※2014/7/21追記こんな本が出てるなんてしらなかった! もっと知りたい人はこちらを読むとよいのではと。
<<クタクタなりのまとめ>>
お金と感情と意思決定の白熱教室 ~楽しい行動経済学の世界~
なぜいらない物を買ってしまうのでしょうか?なぜ他人の方が幸せに見えるのでしょうか?ダイエットや禁煙がうまく行かないのはなぜでしょうか?
こういうことに対して何が必要かを探求していく学問が行動経済学です。
ダン・アリエリー教授が教えてくれます。
第一回 人間は不合理な存在である
きっかけはやけど入院
教授はやけどで病院に入院していました。
包帯を身体にまいている訳ですが、毎日取り替えるので、はがされる時に、痛い思いをしていました。
教授は2種類のはがし方があるのではと思いました。
- 短い時間でパッとはがす
- 長い間かけてゆっくりはがしていく
看護師は短い時間でパッとはがす方ばかりを毎回採用していました。
教授は看護師に、他の方法も試してみてくれと言いましたが、変えませんでした。
長い方がいいのか、短い方がいいのか実験してみた
退院後、大学で痛みについて研究してみたところ、
- 苦痛の総量は痛みの継続時間には比例しないが、痛みに強弱をつけると劇的に大きくなる
=ずっと弱ければたいした痛みにはならない。 - 苦痛の総量は痛みの強さの変化の仕方によって大きく変わる
=最初に痛くて後に弱いより、最初に弱くて最後に痛い方が痛い感じがする。
ことが明らかになりました。
なので、包帯の取り方もゆっくりとはがして行った方が患者には負担がかからないだろうという結果です。
しかし、看護師は皆、そのやり方をしていませんでした。(看護師は短時間ではがす方が正しいと信じていました。)
そこから
「誰もが信念として信じていることが実は間違っている場合が多いのではないか?」
という風に教授は感じたそうです。
信念=直感
直感が正しいと思う事を選択しがちですが、本当にそれは正しいのか?
それを考えてみることが大事との事です。
例 錯覚画像で直感の正しさについて考えてみる
TVでやってた画像がなかったので、有名な錯覚画像で紹介します。
2つの線の長さは一緒なのですが、長さが違って見えます。
線の周りにくっついている線に影響されて見え方が変わってきます。
これは、人間は脳でフィルターをかけてから物を見ていると考えられます。
これは、自動的にそうしてしまうので、どうしようもありません。
人の意思決定の時も状況は同じなのです。
人の意思決定の際の原動力になるものは目的?
意思決定の際に、目的や目標や願望が人々を動かしていると思っていませんか?
実は違うのです。
例えば、食べ過ぎたことはありますか?
もし食べ過ぎたとしたら、その合理的に考えられる目的は「肥満になること」なのです。
しかし、そんなつもりはないでしょう。
ということは、目的が我々を動かしているとは言えないという事です。
運転しながらメールしたことはありますか?
その目的は「運転中に事故死する」と考えられます。
しかし、そんな風に考えてメールしている人はいません。
ではなぜ合理的でない選択をするのでしょうか?
臓器提供の意思表示カード登録者数の違いから考えてみる
臓器提供者の意思表示カードの登録者を国毎に集計してみたところ、登録者数が非常に多い国々と、そうでない国々を見つけました。
多い国と少ない国を比較した所、一つのポイントを見つけました。
それは、文化の違いなどではなく、カードの書式の違いだったのです。
書式の違い
多い国では
臓器提供に参加したくない人はチェックしてください
という記載。(オプトアウト方式)
少ない国では
臓器提供に参加したい人はチェックしてください
という記載。(オプトイン方式)
どちらも結局チェックをしない訳ですが、意味合いが全然違ってくる訳です。
デフォルトの大切さ
臓器を提供するかしないかのような複雑なことを決定する場合、最初にどうであったか(デフォルト)の設定が重要な役割をしてくるようです。
人は困難に直面すると何もしなくなるようです。
デフォルトは楽であり、デフォルトはオススメであるとさえ人々は考えます。
このように、日々の選択はおかれている環境にかなり影響されています。
しかし、我々は、選択した理由を聞かれた時にそれは「デフォルトだからした」とか人に言うでしょうか?もっともらしい理由を自分のした選択に合わせていうのではないでしょうか?
私(クタクタ)も、高校に行った理由は?大学に行った理由は?ともし聞かれるなら、今にして思えば「デフォルトだったから」がしっくり来ます。その当時は「やりたい事がないから」くらいに答えたと思います。
小さい事に目を向けよう
環境が大事ということの例として、男性の小便器について上げています。
google(頭が良いと想定する人が多くいるであろう会社)の社内の小便器ですら、小便が地面に飛び散っているのが見られるそうです。日本で言うなら頭のいい例としては…東大でも多少はそうではないでしょうか?
ここでは、そうならないようにするにはどうすればよいかを皆で考えていました。
例えば便器に標的を書いてみる
とかそういうことです。狙うものが必要。でないと集中力が途切れるのです。
そういう小さい事が大事なのです。
何が人の良い行動を妨げているかをきちんと考えることには意味があるといえます。
所感
結構面白かった。
面白かったので、早速書籍を購入してしまった。
こっちも非常に面白い。
もっと色々なケースについて書いてある感じです。
いずれレビューします。
それはさておき、
私は「選択」に影響するものを科学的に知る事が好きみたいです。
ポジティブ心理学も後悔しない選択とかそういう所にヒントをくれるので好きです。
で、この行動経済学も同様に人々の選択に影響する物事を考えています。
非常に参考になる学問だと思えました。
第二回の内容も気になります。(またレビューします。)
まとめると
- 誰もが信念として信じていることが実は間違っている場合が多いかもしれない。
- 目的や目標がかならずしも我々の行動の原動力ではない!
- 人は困難な選択をする時は楽な方に行きたがる!
- 小さい事を工夫するだけで、結構効果があるかもしれない。
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第三回デート必勝法 教えます!?~人々の感情をどう動かすか~ レビュー
第四回ダイエット成功への道!~自分をコントロールする方法とは~ レビュー
第六回私たちは何のために働くのか?~仕事のモチベーションを高める方法~ レビュー
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※2014/7/21追記こんな本が出てるなんてしらなかった! もっと知りたい人はこちらを読むとよいのではと。