お金と感情と意思決定の白熱教室 第五回お金の不思議な物語 レビュー
行動経済学、シリーズ物のレビューです。
http://www.nhk.or.jp/hakunetsu/behavior/index.html
------シリーズはこちら----------------
第三回デート必勝法 教えます!?~人々の感情をどう動かすか~ レビュー
第四回ダイエット成功への道!~自分をコントロールする方法とは~ レビュー
第六回私たちは何のために働くのか?~仕事のモチベーションを高める方法~ レビュー
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来ました!ダン・アリエリー教授の登場です!
※画像はhttp://1000ya.isis.ne.jp/1343.htmlより
※2014/7/21追記こんな本が出てるなんてしらなかった! もっと知りたい人はこちらを読むとよいのではと。
<<クタクタなりのまとめ>>
第五回お金の不思議な物語
今回のテーマはお金の心理です。
それではいってみましょー!
お金とは?
その昔は物々交換でした。
しかし、例えばブロッコリーと鶏とを交換しようとしたときに、適切な交換レートをいちいち考えるのは大変です。
お金は大変便利な道具なのです。(今や皆使用しています。)
機械費用
機械費用とは、「他の選択肢を選んでいたら得られたはずの利益」のことです。
この物を買わない代わりに、他に何が買えるだろうか?
この値段を費やすのは本当に価値があるのか?
と考えてしまいます。
実験・別のジャンルを考えるのは苦手
新車を買った人に、そのお金で何を諦める事になるのかを聞きました。
考えたあげく、「別のメーカーの車を買うこと」と大多数の人は答えたそうです。
人はジャンルを超えて買うべき物を探すのは苦手なようです。
(旅行に行くこととか、そういう返答を期待していました。)
何が買えなくなるのかを考えるのが難しくなる状況(裁量が広くなる)
1日に千円生活費として毎日渡される場合、何が買えて、何を諦めようか考えやすいです。
1週間分(7000円)先にもらった場合は、どうでしょう?
月曜日はなんでも変える気がしてしまいます。
1ヶ月分(約30000円)だったらより顕著です。
クレジットカードだったらどうでしょう?
何が買えなくなるのかを考えるのが難しくなる状況(将来の事)
同じく、
老後の蓄えも、目先のことではないので、蓄える代わりに何を犠牲にしているのかが比較しづらいです。
本当に蓄えて良い事があるのか?と考えてしまいます。
先の事は難しいのです。
正しい選択ができないと誤った選択になりますが、そう言った過ちに陥りやすい状況を述べて行きます。
お金の相対性
大きな買い物だとよく考えずに決断してしまいます。
(例)
- 鉛筆200円のを購入する時に、店員に5ブロック先の店には100円で売ってると言われました。
あなたは、5ブロック先まで歩いて買いに行くでしょうか?
- スーツ10100円のを購入する時に、店員に5ブロック先の店には10000円で売ってると言われました。
あなたは、5ブロック先まで歩いて買いに行くでしょうか?
活用するには
逆にこの心理を活用する場合は、
家のリフォーム等をする際に、家具等も予算にまとめて入れてしまうことです。
リフォーム後に椅子を新調しようとすると、予算が気になりますが、値段の大きいリフォーム大に含めてしまうと、それほどの額には感じなくなります。(同じジャンルに含む事ができます。)
同様に、出費をクレジットカードにすると、別のジャンルの買い物でも同じジャンルになったりして、太っ腹な感じになりやすくなります。
出費の痛み
現金で支払った方が心が痛みます。
消費と支払いのタイミングが同じだと痛みがまします。
(例)
結果的に安くとも、1回1回注文してお金を払うバーか、
後会計でまとめて払う居酒屋か
どちらがその都度の注文で心が痛む感じがするだろうか?
金銭的に得でも、嫌な気分になることがあることは覚えておいた方が良さそうだ。
良いケース
- 交通違反でその場で罰金を払う
悪い事した感じを感じる。
悪いケース
- 旅行でもし、夕日を見ながらお酒を飲むと20ドル請求される場所があるとする。
ばかばかしいと感じる。
しかし、もし、その20ドルが最初から旅行代金に入っているならそうは思わない。 - 旅行を前払いで行くのと、旅行が終わった瞬間にお金を払うの。
後の方が旅行と支払いのタイミングが一緒なので痛みが強い
何もしなくとも知らぬ間に課金されていくような世界は、痛みはないと言える。
心の会計
心の中でのサイフをわける事。お金を支払う時の悩みを小さくする。
例えば、貯金をローン返済に回そうとは思わない人。支払いは支払い。貯蓄は貯蓄と考えがち。
実験
- 給料を1つの封筒で渡すか
- 給料を4つの封筒に分けて渡すか
→使うお金が減った。本当に必要かと、封筒をあけるときに考える。
- 給料を4つの封筒に分けてかつ子供の名前をそれぞれの封筒に書いて渡すか
→お金は他の事に使うべきでないかと感じた。結果貯金が増えた
ポイント制度
ポイントは心の中に別のサイフを作る手段
ポイントを使うなら、お茶を買うのに使うだろうか?マッサージに使うだろうか?
通常は、貯まったポイントは贅沢な事に(マッサージ)使いがち。
ラスベガスはチップに買えないと遊べない。
チップに買えた途端、別のサイフとなり、このチップはなくなっても大丈夫と考えたりしてしまう。
別のサイフは普段と違う行動をとらせることもある。
理由なき一貫性
最初に行った意思決定がその後の行動も左右する事
最初の意思決定が正しい物でなくとも、それがアンカー(碇)となり、その後の判断に影響を及ぼす
アンカリング効果・実験
最初に社会保障番号の下二桁を様々な商品の横に書いた。(例:72)
次に、その数字をお金の値段(72ドル)とした。
その商品を買えるかどうかたずねた。
次に、その商品に対して実際に入札してもよい金額を尋ねた。
すると、社会保障番号が高かった人の方が、低かった人よりも高い値段をつけたのだ!
値下げ
スマホが600ドル→400ドルと値下げされていると、その携帯の中での比較となるが、最初から400ドルなら他の携帯との比較で400ドルを考えてしまう。
最初600ドルという数字は大きいアンカーとなる。
適正さ
価値を評価するのが難しい場合は努力で判断する傾向がある。
ある新米鍵屋が40分汗だくでやっとカギを開けた。100ドルだ。お客はチップをくれたという。
ベテランになり、あっという間にあけたが、同じ100ドル。今では値段を安くしてもチップもくれなくなったという。
スキルに対してはあまりお金を払いたくない傾向もあるようだ。
また、努力が見えるような場合は適正さを伝えやすくなる。
カヤックという旅行検索サイトでは、検索しているアルゴリズムが目で見える。頑張ってる感がするという。
こんな感じ。
無料
アプリは無料だ。無料の世界ではお金を払う事が苦痛になる。100円のアプリは高いと感じるが、200円のコーヒーはそんな感じない。
無料は魅力的なのでわずかな追加料金も払いたくない。
無料は底辺への競争を生み出してしまう。
(ある会社が無料サービスを始めると、他もせざるを得なくなる。)
所感
心のサイフは貯金する上で大事だなーと思った。
あとは、技術職で働くなら、頑張ってる感を出す事も大事なのかもと思いました。
関連書籍
読み切ったけど、超面白かった。私にとっては名著の一つだよ!
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お金についてはこちらも良いかも
幸福学 白熱教室 第1回 お金はあなたを幸せにしますか? レビュー
ちなみに、私のオススメのポジティブ心理学も是非どうぞ
※2014/7/21追記こんな本が出てるなんてしらなかった! もっと知りたい人はこちらを読むとよいのではと。